[読書]スタバではグランデを買え! 吉本佳生


以前の「金融広告を読め」がよかったので、同じ著者つながりで読んだもの。
とはいえこの本、2007年に発売され、かなりのベストセラーになっている。恥ずかしながら今さら読んだということだ。

結論からすると、さすが吉本佳生といったところ。
スタバ(スターバックス)だけではなく、さまざまな「モノの値段」を具体例に出し、経済学を織り交ぜながら分かりやすく説明している。

例えば、なぜ携帯電話の料金体系は複雑なのか、100円ショップはどのように利益を出しているのか、など。経済学の論理だけではなく、現場の裏側までよく取材されているな、と感じた。

もちろん、本のタイトルに対する答えも明示している。これはひとことで表現できるほど(文中で著者が説明しているため)簡単なのだが、言ってしまうのはもちろん本意ではないため、興味のある方はぜひ読んでもらいたい。
経済学を知りぬき、日々研究し続けている人が書いただけあり、非常に分かりやすく明瞭だ。

ただ逆に、経済学をある程度、少なくとも大学で経済・経営学を学んでいる(そして、それをちゃんと覚えている)程度の人からすると、ちょっと物足りないレベルだろう。そういった人は、1~6章までは斜め読みでいいかもしれない。

個人的にも、おもしろかったのは7、8章だ。

「真の経済格差は、月給などの所得格差ではなく、資産格差である」
「ムダな公共事業は早めに見切りをつけ、その分有益なことに税金を使え」
「少子化問題に対し、小児医療を無料にするのは逆効果だ」


など、思わず「なるほど」とうなずきたくなる持論が展開される。特に「資産格差」の話は、もちろん日々まじめに働き続けることも大事だが、少し合理的に考えて行動する、言い換えれば、要領よく立ち回ることの大切さを再認識させるのではないだろうか。

とはいえ、100%著者の意見を受け止める必要もない。
少子化の問題にしても、確かにただ無料にするだけでは著者の指摘する問題が起こるだろうが、それでも無料という響きはやはり心理的効果も大きいだろうから、やり方次第なのだろうと思う。

総評としては、経済学に少しでも興味がある人、または本のタイトルを見てちょっとでも「おもしろそう」と思ったのなら、読んで損はないだろう。




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