ZOZOTOWNは、最も突かれたくないところを突かれて怒ってしまった

ZOZOTOWNの前澤さんの発言が問題になっている。
それに対して「宅配業者の人はブラックなのに頑張ってる!」という考察も出た。

さらにはあの家入さんが「お客様は神様じゃない!」と斜め上から突如現れ、何とも味わい深い事態に発展してしまっている。

しかし個人的に、これらは全部的外れだと考える。
なぜならZOZOTOWNはその昔、送料無料を謳い文句にしたことがあるからだ。

前澤さんは「詐欺」という言葉に引っかかったわけでも、宅配業者への感謝のなさに怒ったわけでもない。
Amazonは無料なのに、自分のところはそれができないことを突かれて逆上しただけだ。

Amazonが送料無料なのは、別に宅配会社が奴隷のごとく奉仕しているからではない。
確かに大口顧客として一定の優遇は得ているだろうが、Amazonは自分たちの利益の中から送料分を宅配業者に支払っている。

例えば、Amazonへの注文が毎回100円ばかりだったら、それ以上の送料を宅配業者に支払うことでAmazonは赤字になるだろうが、Amazonのエライ人は「そんなことはありえないし、むしろ「送料無料」にすればもっと注文されるよね」と判断して(成功して)いる。

言い換えれば、Amazonは送料なしでも儲けられるが、ZOZOTOWNにはそれが(昔ちょっとやってみたけど今は)できないというだけのことだ。

なので、この「届けてくれる人がいるのを考えろ!」発言は、おそらくご本人があえて論点をずらしただけで、本当は「Amazonは無料だよ→うるせぇこのやろう!」が真相だろう。
個人的には、あの巨大なAmazonに真っ向から太刀打ちするのは難しいのは分かるから、ここで素直に「うちはまだできないっす。でも応援してね」とか言えたら良かったのになぁと思う。

洋服を購入するお金は本人が働いて得たお金から出ていて、宅配業者もお金をもらって配達して、ZOZOTOWNもその中間マージンをもらう。
別に誰もラクしてないし、汗水たらしてなくもない。みんな経済の原則に従ったまでの話だ。

そういう意味で、個人的にこの発言は、小売業の社長としても、自社が他社に劣るの(ではというコンプレックス)を知らしめてしまったという意味でも、最悪だったと思う。