Yahoo!チャイナモールがカオスすぎる件

Yahoo! JAPANが、アジア最大のECサイト「淘宝(タオバオ)」と提携すると発表されたのは、先月中旬頃。
そして今日「
Yahoo!チャイナモール」というサイトがリリースされた。
これは、タオバオが扱っている主に中国国内の製品を、日本にいながらにして買えるというものだが、これが何ともカオスだったので、ちょっとまとめてみた。

王冠純正品は保一の年の徳の浩力勝のDHL 7-805の霹靂軍事用の車両ゲーム段階光学マウスを質入れする


質入れって……
買った途端に売らないように。

【SKは流行でありいかしてている】家用はのろまな宝を砕く


砕くな砕くな。宝を砕くんじゃない。


特の馮氏早期教育の法/早期教育の革の 命の8のVCDの原の汁の持ち味


「原の汁の持ち味」
なんか嫌だよ。。「汁の持ち味」ってなんだよ……

超人毛球取器のSRは2856の新型上場工場の価の特は全国保守の擬1を売って10を賠償して


1売ったら10賠償してんの?
それで経営成り立つの?

IKEAの味付けの瓶の*の調味料の瓶の*は物の瓶を蓄える


肝心なところ「*」ばっかりだから、分かんないよ。言っちゃいけない言葉なのかよ。

おそらく中国語を無理やり自動翻訳してるのが理由なのだろうが、この状態でリリースしたところが、勢いがあるというか、ソフトバンクらしい感じがする。

ただ一番大事なのはこのサイトで買い物をしたいと思うかどうかだと思うんだけど……

あと問題になりそうなのは、偽物も売っちゃってるところだろう。

こちら、よく見ると「SQNY」での検索。
PSPならぬ、PMPやらP$Pなんてのが並んでいる。

これは何か対策しないと、国内企業からクレーム来そうだけど……

とりあえず、今後に注目です。

技術集団としてのYahooの終焉と、検索業界のこれから

YahooとMSの提携が遂にまとまった。
会社丸ごとの買収から始まり、Googleとの連携までも模索していたが、結局無難な形に落ち着いたようにも見える。

これはのちのちWeb業界の大転換のひとつとなるだろうから、現在の自分なりの考えをまとめてみたい。

まず、MSにとっては一定の価値をもつ結果といえるのではないか。
YST(Yahooの検索エンジン)がMSの「Bing」に取って代わるとのことで、MSはYahooが蓄積してきたノウハウを好きなだけ利用できる。これはBingの開発チームにとって、この上ない武器だ。
金銭面では、Yahoo側にかなり譲歩したようにも見受けられるが、彼らが本気で獲ろうとしているGoogleの牙城に比べれば屁でもないだろう。

一方のYahooにとってはどうか。
Bingを利用した検索広告料の88%はYahooに入ることになっていて(12%は持っていかれるという意味にもとれるけど…)、MSに表示される検索広告の販売権も持っているそうだ。上述の通り、金銭面で見れば決して悪い条件ではないだろう。

これでGoogleを追いかける準備はできた。両社の幹部はそう考えているかもしれない。

しかし、私がこの件で最も懸念しているのは、検索エンジンの開発に携わっていたYahooのエンジニアのモチベーションだ。

検索エンジンのアルゴリズムは、企業にとってトップシークレットである。その詳細は、社内でも一握りの人間しか知らない。
それゆえに、検索エンジンの開発はWebエンジニアの中でも花形だ。警視庁でいう捜査一課、消防隊でいうハイパーレスキューというか、とにかくある種別格の存在である。

彼らのうちの多くがコンピュータ工学を学び、アメリカや世界中の工科大学を首席で卒業するような、超がつくエリートたちだ。

そんな彼らが「打倒Google」を目指して毎日研鑽していた物が「今日で終了」とあっさり打ち切られるのだ。心中いかばかりか。
Yahooには「Search Monkey」や「BOSS」といった検索を利用した先進的なサービスがあるが、それらの開発もすべて止まることになるかもしれない。

そんな優秀な彼らがすぐにお払い箱になる可能性は低いが、逆に彼らの方が荷物をまとめて出て行ってしまう可能性もある。それこそ、Googleにでも。

そして、日本のYahooはどうなるのか。
まがりなりにも国内トップシェアを誇る商品を捨て、あっさりとBingに乗り換えるのだろうか。
「検索エンジン」といえば、今ではWebサービス企業の命とも言えるものだろう。これを自分たちで持っておかず、外部の企業に委ねて本当にいいのだろうか。

実質上のオーナーである孫正義氏は「可能性が高い」と語っているとのことで、現状では乗り換えが規定路線か。

Yahoo! Japanの検索事業部長であった井上俊一氏が、ライバルであるBaiduの社長に就任したのは、2008年のことだった。
今後、日本のYahooのエンジニアの大量退職なんてことも起こるのかもしれない。

「検索を手放す」という決断をしたことで、Yahooは技術企業としては死んだと言えるだろう。彼らは昔のように、テキストやコンテンツを編集するWeb上のメディア集団になるのではないか。
そしてこの大きな決定が、検索以外のサービスに携わっていたエンジニアのモチベーションに影響を与えることは必死だ。検索が切られたのに、自分たちが今作っているサービスが切られない保証はどこにもない。

成功か失敗かは誰にも分からないが、これからの検索業界はGoogleとMSの2つがガチンコでぶつかり合うことになりそうだ(個人的に、Twitterがそこに入り込むのはまだ時期尚早に思う)。

TwitterになりそこねたYahoo!

「思ったことをひたすらつぶやき続ける」
他にもさまざまな要素があるものの、基本的にはこれだけで爆発的な人気を持つことになったTwitter。しかし、実はこのTwitterになり損ねたサービスが米国のYahoo!にあった。それはつい先日終了することが決まった「Yahoo! 360°」だ。

Yahoo! 360°は2005年3月、完全に後塵を拝したMySpaceに追いつくべく開始されたSNSである。
日記や写真、プロフィールなど、SNSとして最低限の機能がすべて備わっていた。

そして、Yahoo! 360°には「blast」と呼ばれる特徴的な機能があった。これは「何気ないひとこと」を書くものであった。
吹きだしの形にデザインされた見た目は、現在のmixiのエコーに似ている。ただこのblastは、その日の気分によって吹きだしの形を変えたりすることもできた。
090615

※拾い物で恐縮ながら、②と表示されているところがblast

しかし、決定的な違いがあった。blastは上書きされてしまう仕様だったのだ。
あくまで「何気ないひとこと」を書くためのものだという位置づけだったのか、blastは新たに書き込むと前のものが消えてしまった。もちろん、個別のURLもない。
「履歴を残したかったら、短くても日記に書くだろう」スタッフはそう思っていたのかもしれない。
そのほかには「返信が投稿ではなくメッセージで行われる」という特徴もあった。

遅れること1年4ヶ月、2006年7月にTwitterが始まる。

その後の流れはご存知の通り。
かたや、膨大なデータベースからGoogleをも脅かす存在になろうとしているTwitterと、サービス終了はおろか、会社自体も傾きつつあるというYahoo!である。

もちろん、Followの概念だとか、積極的にオープン路線をとったことが勝因の大きな部分だろう。
しかし、もしあの時Yahoo! 360°が「blastを日記と同じように残せるようにしよう」と判断していたら、その頃のYahoo!の力を考えれば今頃Twitterはなかったかもしれないし、Googleと対等の力を持っていたのかもしれない。

ちょっと考えすぎかもしれないけど、ほんの些細な決定が、その後大きな違いをもたらす、ということは往々にしてあるのではないだろうか。
それは「最先端の技術の誕生」ということでなくとも、ちょっとした発想の転換によることもあると、この例が示しているように思う。