巨万の富を築ける4つの職業

「お金が欲しい、できればたくさん、あればあるだけ欲しい!」というのは、人として当然の欲望だろう。
しかし、「巨万の富」を得られる職業は、世の中にそれほど多くない気がする。

ここでいう「巨万」とは、数百~数千億、及び兆円の単位であり、例えば、医者、パイロット、歌手や俳優などは残念ながら含まれない。

1:事業家

経済的成功者の代表。
社会に新しい価値を提供することでその見返りを受ける、一般労働者の頂点に立つ人々。

ビル・ゲイツ:8兆円
コーク兄弟:8兆円(合算)
孫正義:2兆円

2:投資家

自己の資産を、主に「1」の事業家に託し、その価値を高めるプロ。資本主義社会の頂点に立つ存在であり、おそらくすべての職業の中で「誰かに頭を下げる」ことが最も少ない。

ウォーレン・バフェット:3兆円
ジョージ・ソロス:2兆円

3:プロスポーツ選手

誰もが一度は憧れるためライバルも多く、おそらく最も就くことが難しい職業。
ほとんどの選手が所属チームや団体に雇われる「雇用者」であり、そこから出るのはあくまで「給与」だが、彼らの莫大な収入は企業とのスポンサー契約によるものである。

ミハエル・シューマッハ:1,000億円
タイガー・ウッズ:800億円
ロジャー・フェデラー:700億円

4:ファッションデザイナー

最も意外なのがこの職業ではなかろうか。
しかし「ファッション」は、確かに世界共通の「インフラ」であり、商圏は無限に広がっている。
多くのブランドは人名が冠されるため、人物の知名度という意味では、他のどんな職業よりも高い。

ミウッチャ・プラダ:1.5兆円
ジョルジオ・アルマーニ:8,000億円
ラルフローレン:6,500億円

ただ、それらのブランドを扱う事業家の方が上に来ることが多いのは事実。

アマンシオ・オルテガ(ZARA):5兆円
ベルナール・アルノー(LVMH):3兆円
ステファン・パーション(H&M):2.6兆円
柳井正:2兆円

他に何かあるかなぁ、と考えていたら「マフィア(暴力団)」というのがあった。
こちらも相当儲けてはいるだろうな。。。

セカイカメラは、ソーシャルゲームの波に呑まれてしまった

最初に、私はソーシャルゲームを否定も肯定もしない。
様々な問題をはらんでいるのは確かだが、スキマ時間に暇を潰したり、友達と楽しんだりするのに使っている人も大勢いるだろう。コミュニティサービスは、どんなものでも功罪双方の面がある。

以前に「セカイカメラは飽きる」というエントリを書いておいてなんだが、ARは確かに未来を感じさせる「何か」だった。

世界中のベンチャーが集まる、TechCrunch 50を熱狂させた「セカイカメラ」
あれから数年の歳月が流れ、結局は日本のモバイルソーシャルゲームの波に呑まれてしまった。

頓智ドットがGREE向け第一弾と銘打ち、ソーシャルゲームを発表した。

会社として経営していく以上、お金を稼がなければならない。だからこそ、今の日本で最も収益化の期待が持てるソーシャルゲーム市場に出ることは、経営者として賢明な判断だ。
しかしやはりARでは、リアル世界でマネタイズすることは難しかったのか。

頓智ドットは、他にもたくさんのサービスをリリースしている。今後もきっとそうだろう。
しかし、私たちに崇高な未来を見せてくれた同社は、今後GREE向けにやモバゲー向けにゲーム開発するベンチャーの一つになる。これは間違いないと思う。

AR、ひいてはセカイカメラには、確かに未来を感じさせるものがあった。
今までの常識を、我々の生活を根本から覆す何かがそこにはあるのではないか。そんな「何かやらかしてくれそうな」期待があった。

それが私の勝手で過剰な期待だったといえばそれまで。
ただ、未来がまた少し遠くなってしまった気がした。

「すきま時間」の奪い合いからWebビジネスを考える

娯楽に関するWebビジネスについて「すきま時間をいかに奪うか」をキーに考えてみた。

テレビ、新聞、ラジオなどの旧来のメディアも、基本的には暇な時間をいかに奪うかが目的であった。
昔、皆が巨人戦をテレビの前で観戦したのは、野球中継しか娯楽がなかったからとも言える。バラエティ番組もしかり。

しかし今はその可処分時間に対してネットというライバルが現れた。ブログ、SNS、twitterなど、人々はすきま時間に新たな娯楽を覚えたのだ。

そういった意味では、モバイル端末はまさに格好のデバイスだ。移動中、就寝前、休憩時間など、肌身離さず持ち歩くこの端末には、まだ様々な可能性が眠っているだろう。

今や社会現象ともなった「ソーシャルゲーム」も、ゲームとして見れば非常に単純なものばかり。いわゆる「ゲーマー」達が「クリックゲー(クリックするだけの単純なゲーム)」と揶揄するものである。
例えばPCゲームの歴史を紐解くと、このクリックゲーは極端に嫌われた。PCでゲームをするようなゲーマーには、あまりにも物足りないからである。ゲーム開発者たちは、ゲームシステムをより複雑に、グラフィックをより洗練させることでユーザを満足させようとした。

しかし多くのマジョリティには、その複雑さは到底受け入れがたいものだった。結果、誰にでもできるほど単純で、暇な時間を埋められる「クリックゲー」が賛辞をもって迎え入れられたのだ。

ただそのクリックゲーも、家に帰ってリビングでやる人は多くないと考えられる。PCやテレビ、その他多くの魅力的な娯楽に対し、その手軽さは一気に「いつでも出来るもの」に格下げされてしまうからだ。

YouTubeやニコニコ動画などの動画コンテンツもしかり。PCも含め、小さな端末で見るのに2時間の映画は適さない。2、3分、長くて10分程度の面白く手軽な動画を求めて、人々は端末を操る。
旧来型の考えに凝り固まっていると、いかにして映画やテレビなどの旧来のソフトをネット経由で見せるかにこだわってしまう。もちろんそれも将来的に大事だが、今この瞬間に求められているのはもっと手軽に見られるメディアであり、ソフトなのだ。

それでも、ソーシャルゲームやニコニコ動画をやらない人もまだまだ多い。この次に来るものは、果たしてなんだろうか。

手軽、短時間、暇つぶし

これらをキーワードにして考えると、次の波が生み出せるかもしれない。

はてぶiPad記事に見る、ソーシャルとマスの境目

はてなブックマークで、とある記事が多くのブックマークを集めていた。

はてな近藤淳也が日本経済新聞社に潜入! 話題の日本経済新聞 電子版について体験してみた

「何でこんな提灯記事が?(失礼)」と思ったのだが、どうやらブクマするとiPadがもらえるとのこと。
なるほどな、と思ったのだが、これはソーシャルブックマーク(SBM)の根底が崩れることになりかねないのでは、と感じたのでエントリにしてみた。

SBMの利点の一つは、自分で記事を探す手間を省けることだ。多くのブックマークを集めている記事は何かしら話題になっていたり、大勢の人が読む価値があると判断している可能性が高い。
実際、そうでない使い方(一歩離れたところから意見を言ったり、disりあったりすること)がメインストリームになりつつあるけどそれはおいといて、本来はそのような理想像があるはずだ。

はてなブックマークは、日本で最大のSBMだろう。
初期の頃から比べれば、利用者も大分増えてきたように思う。

はてなが一企業である以上、このように自社サービスをマネタイズすることは、何ら否定されるべきことではない。
特にお金儲けが下手といわれるはてなが、このようなことを行ったのはある一面では評価できるとおもう。

しかし、すべてがこんな記事で溢れかえってしまったらどうなのだろう。
はてなのホットエントリが「ブックマークしてくれれば○○円あげます!」というキャンペーンページで埋め尽くされたら、はてブはその価値を失ってしまうのではなかろうか。
皮肉にも、はてブが有名になればなるほど、メディアとしての価値を高めれば高めるほど、そのような使い方をされる可能性が高まる。

それはある種のスパム行為とも言えるけど、はてな自身が行っている以上、他社が同様のことをするのを責めることはできないはずだ。

そうなると、ユーザとしては「もうはてブはダメだね。やっぱりライブドアクリップだよね」なんてことにならないだろうか。
結局、運営母体として力を持っている(SBMだけで食っていかなくてもいい)ような企業に、おいしいところを持っていかれる危険も孕んでいそうだ。

ウェブサービスのマネタイズは試行錯誤の段階だと思うが、特にソーシャル系のサービスでは、非常に神経質にやるべきなのでは、と思った春の日。

ネットにおける有料サービスの境界線

はてなが、はてなブックマークとうごめもはてなで有料サービスを導入した。
色々意見はあるようだけど、ちょうどいい機会なので、自分のためにもネットにおける有料サービスの種類をまとめてみた。

1:サービス利用料

サイト自体、もしくは特定の機能を利用するために課金するタイプ。
前者では、大きな力や確実な顧客を持っているところで有効。

例:ヤフーオークション、mixiプレミアムなど

2:通常機能の強化版

今あるものより明確に優れているもの。数字として分かりやすいことが多い。

例:Amazonのお急ぎ便、ストレージサービス系の容量増加など

3:付加機能

今ある機能に付け足す機能。現在あるものに比べて課金に値する(と運営側が判断している)もの。

例:はてなブックマークプラス、うごめもはてなプラスなど

4:デジタルアイテムの販売

アバター、ゲーム内アイテムなど。

こんなところかな。
今回はてなは「3」の方法で課金サービスを開始したわけだが、難しいのは、人によってはこれが「機能制限」と感じられることだろう(その意味では「2」もそうなのだけど、これはネット上の課金の常識として定着した気がする。2GBまでは無料、など)。
その境界線に明確なものなどないから、みんな試行錯誤しているんだと思う。

そもそもネットのサービスは、運営費以上の資金を稼ぐ、という視点で見ると広告だけで成り立つのは本当にごく一部。
他の産業を見ても、それができているのはテレビやラジオくらいで、しかも強大な力を持つ民法放送局だけだ。

そのほかは、利用そのものにお金がかかる。
例えば、新聞も雑誌も購入しなければならないし、多くの人が利用する電車もバスも「広告」だけでは成り立っていない。当たり前のことすぎて、疑問にも思わないけれど。

そうでなければLinkedInのように、質の高いユーザを持ち続けて、それを利用したい企業側に売り込む、という形しかない。

ルパード・マードック氏のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も、一時は無料化の動きがあったものの、結局コンテンツの有料化に舵をきるようだ。

あの「メディア王」でさえ、ネットで収益をあげるのに最適な方法が何なのか、迷っているのだ。

これからはおそらく、色々なものが有料化されていくのだろう。
「ネットはタダ」が当たり前の時代は、そのうち終わる。皮肉にも、ネットが生活にとってなくてはならないものになればなるほど、それが加速するように思う。