新入社員の方へ 部下を叱るときは、叱られるときより緊張するものです

会社勤めであれば、まぁ最初は普通、誰かの下で働くことになる。
私も数々の上司に会ってきて、もう衝突しすぎて、目もあわせられないほど人間関係がボロボロになってしまった人もいれば、本当に心から尊敬でき「こんな風になりたい」と思える人もいた。

ただやはり部下という立場だと不満が多くなりがちというか、自分のやりたいようにできずストレスがたまることが多い気がしていた。

しかし、部下を持ったら持ったで、また別の大変さがあるものだということに最近気づきはじめた。


まず、やはり人間には色んなタイプがいる。
若くても、いや若いからか、自分の意見が正しいと信じてがむしゃらに主張してくる人。
それはそれですばらしい特性なのだが、如何せん一度思い込むと周りがすっかり見えなくなることが多い。たとえ失敗したりしても「自分は正しいと思った。悪いことはしていない」となりがちだ。
思わず「言い訳するな」と言いたくなるのをぐっとこらえて、間違いを正したり、助言を与えられる際、なるべくプライドを傷つけないように苦心する。

そういう時は、例えばまず相手の意見を認めたうえで「では、こういう角度から見るとどうなる?」とか、とにかく別の視点を与えてあげる。
いったん納得すると、次からきちんとそういう考え方ができるようになるから不思議だ。

辛抱たまらず「いいから、とりあえず言った通りやっておいて」と言ってしまったら一巻の終わり。
こちらの信頼も失い、「意見を主張する」というすばらしい長所もつぶしてしまうことになるからだ。最悪、腐って何もしなくなることもある。基本的にプライドが高いので、それを取り戻すのは非常に困難だ。


反対に、中々自分の意見を言えないタイプ。これはこれで困る。
知識も豊富で頭もいいのだけど、大人しい人に多い。会議中などに「本当はこうした方がいいのに」とか「あぁ…このデータは間違っているのになぁ…」など頭の中では分かっているのに、口に出すことができないようだ。
そして、会議が終わった後などにこっそり「あの、僕思うんですけど…」とはじめる。そして、大概その意見は正しい。
本人もそれを分かっているから、意見を主張しないことが悪いことだとは思わない傾向がある。「ほら、やっぱり僕は正しかった」と納得し、満足してしまうようだ。

基本的にこういうタイプは真面目なので、何かにじっくりと取り組ませるとすごく実力を発揮する。なので、なるべくそういう仕事を回すように心がけるのだけど、やはり「人前で発言する」という能力は、ほとんどどんな職種でも必須だと思うので、何とか身につけて欲しいと願う。

しかし性格を変えることは非常に困難だ。その場合私は、
・会議は決定の場だから、何も発言しなければ同意したことになる。
・発言することも仕事だと思って、訓練するように。
・間違いを恐れない。誰も君の間違いなど気にしない。ほかの人が間違ったことを言っても君が気にしないように。

と、まぁ当たり前のことを伝えるようにした。それでも中々難しいこともあるが、頑張って発言しようとしている姿を見ると、表情には表さないが心の中で猛烈に応援してしまう。


そして、困るのは注意する時とその基準だ。
期限を守れなかったとか、頼んだ仕事を忘れていたとかいう凡ミスなら簡単だ。
しかし、部下が何となく自分の想像していた方向と違う方に歩みはじめている時、それが正しいのかどうか分からないことがある。これが非常に困る。

それは、結局「自分の経験」という物差ししかないからだろう。
想定外のことをしているけど、これは若い感性だからゆえなのかもしれない。このまま行けば、大成功するかもしれない。行かせるべきか、止めるべきか… それだけで何日も悩んだりする。

そういう時は、もう全部さらけ出して話すことにした。
「私の経験ではこうだったのだけど、君はどうしてそうするの?」みたいに。それで、なるべくお互いにモヤモヤを残さないように努める。
結局、とことん話し合うことが一番大事なのかなぁと思う。それでも不服そうなことがあるのが困るのだけど…


そして、これまた悩むのは生活上のことだ。
ティッシュの箱をつぶさないで捨てるとか、くしゃみをする時に手をつかわないとか、そこまで私が言うことでもないよなぁ… などと考えると、どこまで言っていいものか非常に悩む。
正直「いちいち小姑みたいにうるさい奴だ」と思われたくもないし、でも「ここで直さなければ、このさき恥をかくことになる」という思いもある。


上司から「○○君、ちょっといいかな」と切り出されるのは嫌なものだが、上司は上司で「これは彼の成長のためだ。ここで言わなきゃずっと気づかないかもしれない。今なら暇そうだな。よし、言うぞ」と思いながら結構ドキドキしているものなのだ。

新入社員のみなさん、上司に怒られることもあるかもしれないけど、上司は上司でそんな風に考えているので、怒られてもあまりへこむ必要はないですよ、ということです。

いや、へこまないでください。お願いします…

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