松田直樹選手の死を無駄にしないために

フィジカルは欧米選手並。1年目からJリーグのレギュラーを確立した、熱いハートを持ったヤンチャな選手。
その言動から勘違いされることも多く、生意気で鼻持ちならないプレイヤーという印象を持つ人もいた。

松田直樹。
彼がどれほど素晴らしい選手だったかは、他の多くの方に譲りたい。

私はそれより、こんな悲劇を二度と繰り返さないために今何が出来るのかを考えたい。

数年前、欧州のサッカー界ではピッチ上で突然死する選手が多発した。

マルク・ヴィヴィアン・フォエ 2003年6月26日
ミクロシュ・フェヘール 2004年1月25日
アントニオ・プエルタ 2007年8月28日
フィル・オドネル 2007年12月29日
ダニエル・ハルケ 2009年8月8日

このうちダニエル・ハルケを除く四人が、ピッチ上で息を引き取っている。
特に世界中の注目が高かったコンフェデ杯でのフォエの姿は、記憶にある方も多いかもしれない。

そして5人のうち3人、松田選手を含めれば4人が、夏の暑い時期に亡くなっている。

ピッチ上で命が失われる。
あまりに衝撃的な光景を目にしたサポーターたちは、冷静に分析を始めた。そしてその原因は、過密しすぎた試合日程ではないかと結論づけた。

欧州トップレベルの選手たちは、リーグ戦、そして代表戦を一年を通して戦い続ける。
それ以外にも、チャンピオンズリーグ、カップ戦、親善試合など、当時その試合数は増加の一途を辿っていた。

興行主としては、試合数が多くなればなるほど儲かる。
サッカーがあまりに商業主義によってしまったのではないかと、主にUEFAが批判の矢面に立った。

事態を重く見たUEFAは、欧州で絶大なる人気を誇る世界最高の大会「チャンピオンズリーグ」の試合数を減らすこととした。それは現在まで受け継がれている。
しかしそれでもまだ多いのではないかという人も多く、今後はもっと試合数が減るかもしれない。

欧州リーグはロシアなどを除き、6月から8月くらいまでを休暇期間としている。

一方国内はというと、Jリーグの公式ページによるとリーグ戦の期間は4月から12月。
http://www.j-league.or.jp/calendar/year.html

欧米の習慣と異なることは重々承知の上で、それでも夏季の試合はなるべく避けるべきではないだろうか。

サッカーは過酷だ。比べるのもなんだが、野球のように連日できるスポーツではない。
外出するだけで熱中症になるような気候の中、90分全力疾走を課すその身体的負担はいかばかりか。

夏にJリーグが開催されないことで困るサポーターが、そんなにいるだろうか。
天皇杯や高校サッカーが冬場に開催されるのも、そもそもサッカーが涼しい季節向けのスポーツだからではないか。

選手個人を悼む声は大きい。
しかし残された我々は、次にこんなことが絶対に起きないようにするのが努めではないだろうか。

それにしても松田よ。嘘だと言ってくれよ。あまりにも早すぎるよ。

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