本物のプロは、謙遜できない

知り合いに、恵まれた容姿を売りに飯を食っている人がいる。要するにモデルとかそういうやつだ。

本人はもっと名を売りたいそうだが、現時点ではとても有名人とは言えない。しかしそれでも、その美しさは一般的な人とはちょっと比べものにならない。

なので、会うと思わず「相変わらずキレイだね」とか「○○さんはキレイだから売れるよ」などと言ってしまいがちで、それは激励の意味もあったのだが、ある日ふと気づいた。

普通の人なら「キレイだ」と褒められて「そんなことないです」と言えるけども、この人はそれができないんだよな、と。
誰がどう見ても美しく、それで飯を食っているわけだから、そこで「いえ、美しくないです」と言えるわけがない。

プロ野球選手に「野球上手いですね」と言ったら、「バカにしてるのか」と怒られるだろう。
それは「野球が上手い」という前提があるからプロなのであって、そこは褒めるべきポイントでも何でもないからだ。

でもそれこそが、本当のプロフェッショナルなんだろうと思う。
否定も謙遜もできない何か一つがあって、それについては一切の言い訳が許されないのだ。

自分にもそれがあるだろうかと考える。
「すごいですね」と言われて、「当たり前だろ、プロなんだから」と答えられる何かが。