水着のバナーはクリック数が倍になる

これは、何年か前に某マーケティング担当の方から伺った。
その方はバナー広告に関してありとあらゆる角度から研究をしており、さまざまな興味深いデータを見せてくれた。

その中で「バナーに水着の女性が出るとクリック数が倍以上になる」というものがあり、実際にデータを見せてもらうとまったくもってその通りだった。

特に男性の増え方は目に見えて顕著なのだが、面白いのは女性のクリック数も増えるという点だった。
これは何でだろうねぇ~と話していたのだけど、夏が近くなると女性も体のラインや体重が気になるので、ダイエットやエステに関連した広告だと思って無意識にクリックするのでは、という結論に至った。本当のところは分からない。

あれから数年、目に見えて「水着のバナー」が増えてきたような気がする。
そしてそのほとんどが海やプールには関係がなく、あからさまなこじつけだ。しかも、クリックした先のページに水着の女性はいない。バナーとは程遠い内容のページが待っているのだ。
(たとえばこれとかこれ

「クリックさせたもの勝ち」という考え方なのかもしれないが、これは逆効果になる場合がある。
例えがちょっと違うかもしれないが、現在、テレビのサッカー中継のCMはハーフタイムに集中し、試合中はまったく流さないのが当然になっている。
しかし、以前はそうでなかったのをご存知だろうか。

ゲームが停滞している時間帯を見計らって、進行中でも定期的にCMを挟んでいた。
しかし、ご存知の通り流さなければいけないCMの数というのは決まっており、タイミングを見計らうあまり、どうしてもゲームが盛り上がっている最中にCMを入れなければいけないことがあった。

今正にシュートを打とうとしている刹那、画面がパッとCMに切り替わったら、観ている方はその企業に対してどういう思いを抱くだろうか。

直接の理由は、日本テレビのトヨタカップ中継でCM中に決勝点が決まってしまい、抗議の電話が殺到したということになっているが、スポンサーの間で「サッカーの試合中に自社のCMを流すのは逆効果」という認識が徐々に一般的になっていった。

結局何が言いたいかというと、水着の女性はまったくけしからんのでどんどんやってくれということではなく、先人たちの過ちを繰り返さないためにも、ただクリック数だけを稼いで代理店と媒体だけウハウハならいいや、という考え方はやめた方がいいんじゃない、ということです。

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