Webコミュニティを「普通の人」につかわせるのは、ムリなのかもしれない

Web上のサービスについて考えたときに、ターゲット層をどこにするかは当然考えることだ。
今や日本のネット普及率も(モバイルを入れれば)8割ほどで、ほとんどの人が何かしらの形で利用しているといえる。

しかしそれが、こと「コミュニティサービス」である場合、いわゆる「普通の人」に使わせるのは至難の業のように、今更ながら思えてきた。

私自身、一日中PCとWebに接することが多い。それは仕事のせいもあるし、単にWebが好きだからだ。
しかし、同時にWebをあまり活用しない友人との交流も欠かさないようにしている。
周り中みんながWeb漬けの環境にいると、ごく一般的な人のネットに対する態度、利用頻度、何を求めていて何を利用しているのかなどの感覚が麻痺してくるからだ。

ここからはあくまで私自身の体感だが、例えば、モバイルでしかWebを利用しない人でも、クックパッドは便利だから使うと言うし、ゴルフの予約のために楽天GORAはいつも利用する人もいる。
検索はもう完全に市民権を得ていて、その便利さも感じているようだ。

しかし、コミュニティサービスの代表格mixiでさえ、使わない人が何と多いことか。
昔からの知り合いなどは、今は知らなくともそのうち使いだすだろうな、と思って数年様子を見ていたのだが、一向に利用する気配もない。誘われてアカウントは作ってみたけど、一度もログインしていないという人もいる。この間、町を歩いていたら「俺、mixiもってねぇし」という会話すら聞こえた(これはまた意味が違うけど…)。

「面白さが分からないから」「使ってみればきっとハマる」
今まではきっとそうだろうと思っていたが、最近では、おそらく彼らはこの先もつかうことはないのだろうと思うようになった。

そういった人たちにはある共通点がある。

それは非常に単純で、Web以外の、要するにリアル世界で人と接することが多いということだ。

例えば営業の仕事をしていて、毎晩取引先の人と飲み歩く人。友だちの多い地元で働き、電話一本すればすぐに数人の仲間を集められる人。行きつけのクラブ(踊るほう)があって、行けば必ず一人は知人がいるような人。

そういった人たちは、まぁまずWebのコミュニティサービスを使わない。それはなぜか。

・リアル世界で忙しく、時間が取れない。
・人間のコミュニケーションを求める気持ちの最大容量というものは決まっていて、精神的に充足されるとそれ以上は望まない。
・そもそも身近にたくさんの人がいるのだから、友だちの近況を知る必要がない。
・自分の近況を伝え、それに対する反応を欲しがらない。

さまざまな理由を挙げてみたが、どれも結局は「Webコミュニティが必要なほどコミュニケーションが不足していない」「友だちとのコミュニケーションにWebが媒介する必要がない」ということではなかろうか。

そして、
・Webに頼るほどさびしくない(実生活以上のコミュニケーションは面倒)
というのが、実は究極なのではないかと思えてきた。

コミュニティサービスを使う人は、友だちの近況を知りたいという欲求もあるが、おそらくほとんどの人が、自分が書いた日記やコメントに対してのリアクションを求める。
日記にコメントがつかないことで凹み、1日に何度もあしあとを確認する。

それは、他人に見て欲しい、自分の存在を他者にしらしめたいという、誰もが持つ潜在的な欲求である。
しかし、実はそれはWeb以前はすごく難しいことでもあって、クラスで人気者になるためには、即興で面白いことが言えたり、芸ができたり、知らない人とすぐに仲良くなれたりする「強固な対人コミュニケーション能力」が必要であった。少なくとも、学級新聞を書かせたら最高に面白くても、いざ話してみると恥ずかしがって何も言わないやつは人気者ではなかった。

しかし、Webの登場によってあらゆることが便利になり、今まで「頭の中では面白いことを考えていたのに、それをみんなの前で言えなかった人たち」がそれを表現することが可能になった。
mixiやtwitter、2chにどっぷりとハマる人は、今まで不可能だったそのような欲求の充足をWeb上に見出し、依存するのではないだろうか。

だからこそ、そういった欲求が既に満たされている、決して少なくないボリュームの人たちにとって「Web上のコミュニティサービス」は、そもそも必要のない、-mixiやtwitterにハマるような人にとっては、何よりも大事なものであっても- もしくは生活の中で優先順位の低いカテゴリなのではないだろうか。

SNSなどがはじめて登場したころ、「交流が薄くなってしまう知人ともずっとつながっていられる。これはWeb上でしか実現できない、今までにないすばらしいサービスだ!」と感激したものだった。

「誰でもみな、Webコミュニティサービスの便利さを知り、生活や人生のインフラになる」
そう思っていたころもあったが、もう根本的に、自分たちの生活には「不要」な人たちが大勢いるんじゃないかと、弱気になってる昨今です。

GREEがmixiを超える日

mixiとGREEといえば、日本のSNSを黎明期から支えた存在だろう。

ひと足はやく開始したGREEは、日本初の本格的SNSとして流行に敏感な人たちに熱狂をもたらした。
創設当時に(確か2回)開催されたオフ会「GREE Night」は、「geekな人たち」を集めて大変な盛り上がりを見せ、今では語り草だ。

しかし、ブログとの差別化を意識していたことや、(多分)Friendsterをモデルにしていたので、当初は日記がなかった。

一方でmixiは、日記、およびコミュニティ機能を早々に導入。また、UIが大変優れていた。
社長の笠原さん本人も言うように、日本人の好みをよく追求したサイトデザインで広く受け入れられることになる。

それでもGREEは「わが道を行く」だったのだが、遂に両者は逆転し、その後の流れはご存知の通り。
mixiは上場も果たし「SNSは2ついらない」を地でいくかのような快進撃を続けた。

GREEも遅ればせながら、日記、コミュニティを投入するものの、時すでに遅し。
このままmixiに正面から挑み続けるのは明らかに無謀に思えた。

そんな折、GREEは大きな転換点を迎えることになる。

彼らは自らのIdentityでもあった「招待制」を廃し、2006年11月16日、auユーザに開放。
最も大事にしていたはずの「つながり」を捨て、物量作戦に出たのだ。

これと共に、ゲーム、アバターなどを開始し「モバイル」に特化した。
GREEは、SNSを捨てた。

当時のユーザの反発はなかなかすさまじかった
特に、アバターを強制表示にした頃の、田中社長がアバターをほめちぎった日記は思いっきり炎上した。

当時私は、あれだけ「トンガッテ」いたGREEが、思いっきり大衆向け、しかもゲームやアバターなどの低年齢向けにシフトチェンジしたことに驚いた。
一方でmixiのSNSとしての勢いは止まらず、現在の事実上の独占状態に至るまでになったのだった。

しかし、ここにきてGREEが不死鳥のごとくよみがえってきた。
SNSを捨てたGREEが「モバイルゲームサイト」として復活したのだ。

ここで二つのサービスの数字を比べてみると、

モバイル版 月間PV

    mixi:100億
    GREE:100億

PC版 月間PV

    mixi:50億
    GREE:1億

売り上げ

    mixi:120億円(2009年3月期通期単体)
    GREE:112億円(2009年6月期通期単体(予想))

PC版のPVはまったく異なるが、それ以外はほぼ同じ水準だ。おそらく、売り上げでGREEが上回るのはもう時間の問題だろう。
ちなみに、株価時価総額に照らした両社長の資産総額では

    笠原氏:452億円
    田中氏:800億円

と、倍近い差だ。

競合に勝つための施策と言えば、新しい機能を導入して「差別化」を図るとか、ターゲットの年齢層を変えるとかが普通だと思う。しかし、GREEは違った。
それが最初から意図したものだったのかは分からないけど、少なくともGREEは、ユーザの反発や離脱を覚悟でいくつかの博打を打ち、それに勝ったといえるのではないだろうか。
愛想をつかして去っていったユーザも多かっただろうが、GREEはビジネスでの成功を確実に手にしたのだった。

それにしても、やはりこれからのWebビジネスは、広告から、コンテンツをサイトで直接販売する方式にますます移行していくように思う。

テレビやラジオの広告費が年々落ち込み、ネットだけはいまだに右肩上がりだ。
現王者のテレビも、ネットに抜かれるのは時間の問題だと言われている。

しかし個人的には、ネットが普及するにしたがって「広告費」そのものが(景気などは関係なく)縮小するのではないかと考える。

商品の流通をごく単純化すると
 原材料調達 → 製造 → 宣伝・販売 → 購入

となり、ところどころに運搬や「仲介人」が発生するわけだ。
しかしネットの普及によってこの「仲介人」を極力省略できるようになったわけで、消費者は自ら能動的によい商品を探し、製造元から直接買い付けることもできるようになった。

もちろん広告自体がなくなることはありえないけど、情報を自分で得やすくなった分、広告費も縮小していくんじゃないかと。少なくとも、もう右肩上がりの神話はなくなるんじゃないかと思う。

となるとやはり「好きなものを好きなだけ、直接購入できる」仕組みを追及していくほうが、ネットそのものの利点を活かすためにも効率的だと思う。

「テレビは終わった」なんて言う人もいるが、ビジネスモデルは結局旧媒体と変わっていない。
色んな意味で「もう一歩踏み込んだサービスを提供しなければいけない」時代が、もうすぐそこに迫っているんじゃないだろうか。

韓国のオンラインコミュニティの歴史 その2

English follows after Japanese…

前回の続き

■国策としてのインターネット

韓国のオンラインが(ある意味)ここまで先進的だったのは、いくつかの要因がある。

1:テレビインフラの未発達

1997年のアジア通貨危機により、韓国は国家の存亡も危ぶまれるほどであった。
そのあおりを食う形で、なんと韓国のテレビ番組は2006年まで昼間~夕方の放送が中止されていたのだ
必然的に、人々は余暇の時間を「テレビ以外=ネット」に費やすこととなった。

2:国を挙げての取り組み

窮地に陥った韓国は、当時の大統領金大中氏のトップダウンにより自分たちの「強み」を推し進める政策をとった。
「オンラインゲーム」および「アニメ産業」を国策とし、集中的に資本を投下。ブロードバンドのインフラにも力を注いだのである。
僕の知り合いの技術者はその優れた能力ゆえに、著名な俳優やスポーツ選手でも例外ではないという徴兵を免れた。

このような政策を口で言うのは簡単だが、実際に行うのは容易ではない。事実、日本はいまだにできていない。
そして事実、彼らはこの未曾有の危機から立ち直った。

■日本との違い ~競争意識を煽る~

多くの韓国人にとってwebが生活の中心となった結果、彼らは競って自分の外見をよく見せようとさまざまなアイテムを買いまくった。徐々に、webを男女の出会いの場として使うことへの抵抗感もなくなっていった。

そしてそこには、多分に国民性も関係していると思われる。
彼らはほかの人と同じ」であることをあまり好まない。自分のページを好きなようにカスタマイズしたいし、オリジナリティを見出したい。個性をアピールして他人との差別化を図りたがった。

そして、これが日本との大きな違いだ。
mixiにはこの「競争意識」が皆無である。皆が同じスキン、UIで自由度はまったくない。ランキングに値するものもなし。
そうすることによって、員が同じである「所属感」や「安心感」を生み出した。

ただ、mixiはおそらく意図的にこの戦略をとったはずだ。
このような日本人の特性を非常に巧妙に見抜き、意図してこのような世界観をつくりあげたのだと思う。

韓国のコミュニティも、MySpaceのようにフルでHTMLをカスタマイズするほどではない。ちょうどアメリカと日本の中間くらいだろうか。
そういう意味では彼らも自国民の性質を十分に理解し、戦略的に展開したのかもしれない。

■ネット依存症の問題

このように「web上に自己をさらけ出す」ことが当たり前となった彼らは、それに対する反応もダイレクトで受け止めなくてはいけなくなった。

韓国の多くのサイトでは、日本でいう住民基本台帳にあたる住民登録番号の入力を迫られる。そこに匿名性は存在しない。
陰湿なイジメの一種に、あらぬウワサを立てるというものがある。
あの子とあの子は付き合っている… あの子は実は… あの子の家族は… あの子は過去に…

学生時代、そんな経験をしたことがある人もいるのではないかと思うが、韓国ではこれがネット上で展開された。
ウワサの煙は、自分の知らないところであっという間に国中に広まった。クラスの中での噂話も気になるのに、国中となったらどんな思いだろうか(これは日本でも「学校裏サイト」などがある。だからそれは、非常に大きな問題だと認識している)。

ただでさえネットへの依存性が高まった人々にとって、時に痛烈な心の重荷となったことだろう。
韓国の多くの著名人がネットでの中傷を苦に自ら命を絶ってしまったのは有名だが、その影には名も知らぬ多くの人々もいた。
このような「負の面」も、彼らの実例から学ぶ必要があるのではないだろうか。

■アイテム課金という選択

日本では現在も主流である「継続課金」は息を潜め、完全に「アイテム課金」へと移行している。
基本利用料は無料。ただし、追加アイテムは有料。それらひとつひとつは非常に安価だが、つもっていくとでかい。

もともと「パレートの法則(≒8:2の法則)」にもあるように、2割の人が全体の8割のPVや売り上げを稼ぎ出す。これはおそらく、web上のほとんどのサイトであてはまることだろう。

利用者を増やし、全体からまんべんなく月々の料金を搾り取るビジネスモデルより、

「とるところから徹底的にとる」

という戦略を選択した。これは、ネットの発達により決済が簡単になったことを逆手に取った、非常に巧妙な作戦だ。

ボタン一つですぐにほしいアイテムが手に入り、それを即座に使うことができる。これはある意味、今までになかった形だ。
一度仕組みさえ作ってしまえば、実体物は何も移動せずにただ金だけが入ってくるのだ。
アイテム課金も、インターネットが生み出した流通革命のひとつだったのかもしれない。

これは、現在広告モデルから抜け出せずに喘いでいる日本のweb業界への示唆にも富んでいるのではないだろうか。

最近では、自身が作成した日記や文面、音楽、アバターなどのコンテンツをサイト上で販売することも当然のようにできる。

何かを生み出し、販売し、それを誰かが購入するという、iPhoneやFacebookなどでも目指そうとしているこの済循環が、非常にミニマムな、一般の人でも行えるような形ですでに実現できているのだ。これは非常に大きな成果だと思う。

全体を通して、韓国は日本の3歩斜め上をいっているような気がする。追随しないだろうが、それでも先は先。そんな感じ。
しかし彼らが随所に取り込んでいるビジネスシステムは、見習うべきところも非常に多いのではないかと思っている。

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The last continuance

■ The national policy

The factor that how old it is to have been advanced has Korean online to here.
1:Crisis of broadcasting system
In Korea, has anxious about by an Asian currency crisis of undeveloped 1997 of the TV infrastructure, too.
Because of it, as for the Korean TV program, broadcast in the daytime and evening was canceled until 2006. When it is it, the people will spend time in spare time on “besides the television, an internet” necessarily.

2:National Policy
Korea which fell into an action predicament fully supported by the country asked it a policy to promote “a strength” of oneself by top-down of then President Mr. Kim Dae-jung.
They assumed “an online game” and “animated cartoon industry” a national policy and drop capital intensively. And they concentrated power on the infrastructure of the broadband too.
The engineer of my friend avoided the draft not to be an exception by the well-known actor and athlete because of the superior ability.

It is easy to say such a policy, but it is not easy to really perform it. In fact, It does not yet have Japan.
And, in fact, they recovered themselves from this unprecedented crisis.

■Difference with Japan

They bought various items so that they want to showed one’s appearance and rolled it up as a result that web played a key role of the life for many Koreans. They became it without a feeling of resistance to using web slowly as a place of the encounters of the men and women.

And it seems that the national traits are related to there a lot.
They don’t liked as the same as other people, They want to customize it to like one’s page and want to appeal an originality there. The want to appealed to other people for their personality and wanted to plan differentiation with another person too.

And this is a big difference with Japan.
There is no this “sense of rivalry” in mixi. The degree of freedom does not have all in same skin, UI at all. There is no thing like ranking-system. All the members brought about the same “position feeling” and “security” by doing so it.

But perhaps mixi should have taken this strategy intentionally.
They see through such a Japanese characteristic very skillfully and they intend and think it to have made such a view of the world.

The Korean community does not customize HTML like MySpace fully, too. It might be just a middle U.S.A. and the Japanese.
They understood the nature of the own nation enough, too and may have unfolded strategically in this sense.

■ The problem of the dependency

It is natural that “reveal self on web” for them, they need to catch the reaction in web-world direclyt.
In the site of Korean most, it is need for the input of the resident registration number equal to “Basic Resident Register” saying in Japan. There is not the anonymity.

In a kind of damp and shady bullying, there is a thing to raise a wrong rumor.
she seems to go out with him… she is, in fact… a family of her… she has such a past…

In the days of a student, not a several people might have such an experience , but this was developed on a net in Korea.
As for the such a kind of the rumor spread out in no time all over the country when she was not going to know it.
Will you feel what kind of to be worried about the rumor in the class if you become it among countries?
For the people whom dependence to the net was sublimed into normally, it will be to have sometimes become the heavy load of a severe heart.
Is famous, but it does not know the name to the shadow that Korean many celebrities have cut off life in pain by the slander in the net by oneself either.

Will not such a “negative aspect” have to learn from their example?

■ Choice of the item charge

“The continuation charging” that is the mainstream falling down and completely shifts to “item charging”.
The basic charges are free. But the additional item is charged. One of them is very cheap, but is huge when piled up.

As for the “Pareto’s law”, a person of 20% earns PV and sales of total 80%. Perhaps this will be to apply to it in most sites in web.
Than business model that increase users, and to squeeze a rate of monthly basis,

“take it thoroughly from the person to take”

They chose such a strategy. This is the very skillful one that took that the settlement became simple by the development of the net underhand.
A favorite item is available in one-button immediately and can use it by the time. This is a certain meaning, unprecedented form.
The item charging may have been one of the distribution revolution that the Internet produced.

Will not it be rich for a suggestion to the panting Japanese web industry without can get away because this is over the advertisement model now either?

It is possible to sell a diary or such as the contents, music, the avatar that own made on a site for granted recently.
They made already this economy circulation that even iPhone or Facebook, and to purchase it who it is are going to aim at in the form that even the general person who is a minimum very can perform. I think that this is very big result.

Through the whole, I feel like going Korea over several steps of Japanese just like a interesting direction. Even if do not follow it; a point is still a point.
However, the place that you should follow thinks the business system which they take in everywhere to have possibilities to be a great deal of it.

韓国のオンラインコミュニティの歴史 その1

English follows after Japanese…

友人に韓国人が何人かいるのだが、彼らの母国のネット(特にゲームやコミュニティ)事情は大変興味深い。
日本では叩かれることも多いが、ある意味日本より進んでいることも事実で、学ぶべきものも結構多いと思う。この機会にエントリにしてみよう。

■SayClub cyworldから始まったアバターコミュニティ

SayClubは1997年、cyworldは1999年から始まった、共に韓国国民の半数(約2,200万人)が登録しているといわれるコミュニティサイト。
Friendsterが2002年、MySpaceが2003年、そしてmixiが2004年だから、その早さが分かる。

「アバター」を中心にコミュニティを形成、2002年に日本でサービスを開始する「カフェスタ」のモデルともなった。
日本のYahoo!アバターも韓国に技術協力を依頼したりしたそうだし、エキサイトのアバターの仕組みを監修したのも韓国の企業だ。

面白いのは、アバターを使わない日本人と同じように、当時の韓国でも

「アバターなんて、こんなもの誰が使うんだ」

という意見が大半だったそう。しかし、ふたを開けてみると大成功。
売り上げは急速に伸び、2002年には月間約12億ウォン(約1億2千万円)まで至る。
この「アイテムに課金する」という発想は、今後の韓国コミュニティサイトの流れを決定付けるものとなった。

ちなみにこの「アバター文化」を日本で唯一大きく成功させたのが、Hangameだろう(まぁ元々韓国だが)。Yahoo!アバターや、近年ではGREEが同じくアバターで売り上げを伸ばしているが、Hangameと比べると霞む。
Hangameの2007年度の売り上げが約90億円で、かなりの部分がアバターだといわれる。

SayClub、cyworldは共に日本版もリリースされたが、前者は去年の11月にサービスの提供を打ち切った。

■「ミニホムピィ」の時代へ

「ミニホムピィ」は韓国のコミュニティサイトを語る上で欠かせないキーワードである。
例を見てもらうと分かりやすいと思うが、アルバムのようにデザインされたページは、日記、写真、掲示板、あしあとなどの機能を有する。日本人と違い開放的な彼らは、プライベートな写真でも何でもここに載せた。

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中でも特徴的なのは「自分の部屋」だ。これはweb上の分身であるアバターが住む部屋であり、友だちを招くことも可能。家具や調度品など、部屋の飾りつけもアバターと同じようにカスタマイズできる。

何のことはない、アバターで飽和状態になったアイテム数を飛躍的に伸ばすために「部屋」を作ったのだ。

しかしこれがまた大当たり。今でも韓国コミュニティサイトの中心的位置を占めている。

■オンラインゲーム

韓国オンライン事情を語る際に外すことができないのが「オンラインゲーム」だ。
前述のHangame、NAVER、Neowiz、Nexonなど数々のゲームポータルが生まれ、同時にそれまでアメリカの独壇場だったMMORPGも次々に開発。ラグナロクオンライン、リネージュ、MapleStoryなどは日本でも成功した。

韓国人のオンラインゲーム好きは相当なもので、どんなに逆立ちしても日本市場がこの熱に追いつくことはないと思う。

そして、良くも悪くも韓国人は「マネがうまい」。
他のゲームのよいところを取り入れる、要するにパクリの技術(?)だ。

例えば「ボンバーマン」を明らかにパクった「BnB(ビーアンドビー)」という作品がある。
当然、日本のハドソンは著作権侵害として運営元のNexonを提訴したものの、あえなく敗訴。

しかも、結局尻つぼみに終わってしまった日本のボンバーマン・オンライン版に比べて、そのBnBの方が韓国ではるかに高い収益を上げ続けていた。
どちらにオンラインゲームのノウハウがあるのかは一目瞭然だった。
遂には、両社はライセンス契約で合意するに至ったのだ。

すごいのは、ボンバーマンは爆弾を使うのに対し、BnBは「水風船」を使う。
これは敵チームを閉じ込めたりでき、仲間はそれを助けたりする。オンライン用にゲーム性をプラスし、より「面白い」ゲームとなっているのだった。
当然、数々のアイテムは現金で販売されている。これが韓国オンラインビジネスの巧みなところだろう。

思ったより長くなってしまったので、次回に続きます。。
次回は、
「アイテム課金の現状」
「韓国人のネットへの依存性」
「日本との比較」
などについて書きたい。

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I have few Korean friends and I heard about web (in particular a game and web-community) circumstances sometime.
Some Japnese are ctiticise Korean-online, but thinks that there are quite many things which should learn that I advance from a certain meaning Japan in a fact. I will make an entry about that.

‘SayClub’ and ‘cyworld’

The community site where it is said to when the half of the nation registers (about 22,000,000) it at Korea where cyworld began in 1999 and SayClub began in 1997 as for avatar community.

Friendster began in 2002, and MySpace began in 2003, Mixi – is the biggest SNS in Japan- began in 2004. You are easy to understand how early them.

They formed community mainly on “avatar” and became the model of “Cafesta” -is one of the polular community service in Japan-
Yahoo! Japan Avatars seems to have asked Korea for technical cooperation, and it is a Korean company to have supervised the structure of the avatar of the “Excite Avatar”.

It was then Korea in the same way as the Japanese “who did use the avatar?”. However, they got a big success.
And became it that this idea “charged to a sale item” determined the flow of the Korea-community of the future.

The sales reach it till they make a profit of monthly about 1,200,000,000 won (about 120,000,000 yen) rapidly in growth, 2002.
By the way, it will be Hangame that let this “avatar culture” succeed greatly alone in Japan; (but originally this is Korea, too).
About 9,000,000,000 yen sales of 2007 of Hangame (But GREE -is Japanese famous SNS- extends sales with an avatar in the same way now).

As for SayClub, cyworld, the Japanese version was released together, too, but the former broke off an offer of the service in November of the last year.

To the times of “MiniHomepy”

“MiniHomepy” is the keyword which is indispensable when I tell Korean community site. That words means “one’s pafe”.
I think that it is easy to understand that I have you read an example, but the page formed like an album has the functions such as a diary, a photograph, a bulletin board, the footprint. It was a private photograph at all, they have been upload their photos with here.
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It is “one’s room” to be above all characteristic. This is the room where the avatar which is the other self in web lives in and can invite a friend. You can customize the decoration of the room such as furniture or other things in the same way as an avatar, too.

Nothing to say, this is new business for them.

However, this is big sale again. It still occupy the centrality of the Korea community.

An online game

It is “an online game” that I cannot take it off when I tell Korea online circumstances.
Many game-portal-site such as above-mentioned Hangame, NAVER, Neowiz, Nexon is born and develop the original MMORPG in sequence at the same time. Ragnarock online, Lineage, MapleStory succeeded in Japan.

I think that a Japanese market does not need to catch up with this heat even if no matter how much the Korean online game enthusiast stands on hand with a considerable thing.

And, one way or the other, a Korean “is good at imitation” 🙂

For example, there is a work called “BnB” which clipped “BomberMan” clearly.
Japanese company Hudson who had a copyright of Bomberman, loses the case tragically although against Nexon of the origin of administration as a copyright infringement.

In comparison with the Japanese Bomberman-online which had finished being anticlimactic after all, the BnB continued giving much higher profit, besides, in Korea.
It was clear at a glance which there was the know-how of the online game in. Both companies came to agree by licensing agreement at last.

As for what is terrible, Bomberman uses just a “bomb” , for BnB “a water balloon” using in game.
This can shut in an enemy team-member, and the friend helps it. This feature added game characteristics for online and became a more “interesting” game.
The many items are sold in cash. It will be the place where the Korea online business is skillful in this.

I follow on the next time than I thought because I became long…

IT企業が電話応対しないワケ

ちょっと釣りっぽいタイトルだが、

電話も通じぬIT企業、増える「窓口はメールのみ」

って感じの、明らかに対ネットむき出しのミスリード狙いの記事があったので、IT企業(ここではポータルなどサービス提供体)が電話応対をしない理由を書いてみたい。
個人的には、場合によっては電話応対をするべきだと思う。ただし「やっぱりできない」理由が一応あるのだ。

■コストの問題

これは単純。一日中張り付かなければならない電話と自由なときに返信できるメールでは、対応に必要なコストがまったく異なる。
前者は専門の要員が必要だが、後者であれば他の仕事をしている人が兼任で行うことも可能だ。

■テンプレの有効利用

「○○の操作が分からない」など、クレームの90%は前例がある。それを都度話して聞かせるより、テンプレをコピペして返すほうが圧倒的に速い。
また、PCなどを使う関係でURLを提示するにはメールのほうが便利である。

■著作権の問題

ネットでありがちなのが、作品の盗用などの著作権に関するトラブル。
その際「これは私のだ」という人が必ず現れるのだが、実際にその人かどうか確認するすべがない。これは電話口でどんなに話しても解決する問題ではなく、時間の無駄なのだ。

■詐欺などの犯罪に関して

某オークションなどで、中々後を絶たない(まぁ完全になくなるわけはないけど)詐欺。確かに、これは金銭にかかわる重大な問題だ。
しかし、たとえばフリーマーケットで「本物だ」と思って買ったものがニセモノだったとき、どうするだろうか。
イベントを運営した市役所にクレームを言って聞き入れてくれるだろうか。

ヤフーなどは正にこの論理だ。自分たちはあくまで「場を貸しているだけ」だから責任は取れない。
最近、ようやく詐欺に対して本腰を入れて取り組むようになったものの、一時は本当に「自己責任」の一点張りだった。だまされたほとんどの人は、泣き寝入りするか、動くこともない警察に届けるしかなかった。

■コミュニティの運営

mixiのような企業でもっとも多いクレームは、間違いなく個人間のトラブルだろう。「あの人はこんなにひどいことをした。すぐに退会させろ」
しかしこれは、どっちが悪いかなど第三者が判断するのは非常に難しく、明らかな違反行為以外は介入する余地がない。
それを電話口で延々言われても、「個人間で解決してください」というしか答えようがないのだ。これも明らかなタイムロスになる。

他にもまだあるけど、大体はそんなところだろうと思う。
そして、これらにはある共通した問題がある。ネット上の本人確認性の難しさだ。

ある商品を購入した消費者が販売元に問い合わせをする。この場合、実際に買っていない人がすることはまずないだろうから、本人かどうか確認する必要はない。企業にとっては大事な顧客である。
しかし、詐欺にあったから何とかしてくれとか、オレのものを勝手に使うなとかは、本人かどうか分からないとどうしようもない。
本当にそいつが詐欺をしたのか。本当に頼んだものが届いていないのか。本当に別の誰かがIDをのっとって出品や落札をしたのか。それを調べるのにはそれ相応の時間が、どうしてもかかってしまう。

もう一度言うけど、僕は電話対応自体を否定しているわけではないし、コミュニティ運営会社であるにもかかわらず、電話対応に莫大な投資をしたディー・エヌ・エーはたいしたものだと思う。しかし、やはり前述のように電話をしたところでなんとも解決しない問題が多いのだ。

よくも悪くも、この定義はYahoo! JAPANが作ったものだと思う。他の企業はそれに追随した。
完全な無応対から菓子折りを持って自宅に向かうまで、顧客対応にはさまざまな段階があるけれど、どこかで線引きをしなくてはならない。その「線」が今のところメール対応なのだろう。

ただこの傾向は、時代の流れとともに当然変わっていくのだろうという気はしている。